小学生の英単語の覚え方 — 覚えてもすぐ忘れる子のための6つの方法

小学生の保護者からよく聞く言葉があります。「あんなに単語を書いたのに、テストになると間違える」「先月覚えた単語をひとつも覚えていない」。

子どもが努力していないわけではありません。覚え方が、脳が記憶する仕組みと合っていないだけです。単語を10回ずつ書き写すのは手の運動であって、記憶の練習ではありません。

この記事は、小学生が英単語を本当に長く覚えていられるようにするための6つの方法です。学校の英語、英語教室の単語テスト、英検5級・4級の準備のどれにも使えます。

なぜ覚えてもすぐ忘れるのか

脳は「重要でない情報」を素早く消します。テスト前日に一気に覚えた単語を、脳は「一時的に使って捨てるもの」に分類します。

長く残る記憶には、4つの条件があります。

  • 理解:意味を分かって覚えた単語は残りやすい
  • 反復:一度にたくさんより、何日かに分けて何回も
  • つながり:すでに知っていることと結びつくと深く残る
  • 使用:単語で文を作って口に出すと、能動的な記憶になる

下の6つの方法は、どれもこの4つのうち1つ以上を使っています。

方法1:目より先に、耳

いちばん多い失敗は、単語を目だけで覚えることです。英単語テストの多くは、先生が単語を読み上げて子どもが綴りを書く形式です。音を聞いたことのない単語は、テストで思い出しようがありません。

やり方:

  • 新しい単語を見たら、必ず音を先に聞く
  • 聞いて、繰り返して言って、それから書く
  • 保護者が発音に自信がなければ、DictationEasyのようなアプリでネイティブの音声を聞かせる。単語リストを入力すると、アプリが1語ずつ読み上げ、子どもが聞いて書く練習ができます

方法2:ローマ字読みから離れて、フォニックスで分ける

日本の小学生に特有の壁があります。3年生でローマ字を習うため、英単語をローマ字で読もうとすることです。「name」を「ナメ」、「like」を「リケ」と読んでしまう。

これを直すには、フォニックス(文字と音の対応)で単語を音のかたまりに分けます。

  • sunny → s-u-nn-y:「nが2つ」
  • teacher → t-ea-ch-er:「eaは『イー』、chは『チ』」
  • night → n-igh-t:「ighで『アイ』。gとhは読まない」

分けて見ると「覚えるもの」が減ります。teacherは7文字ではなく、4つの音のかたまりです。フォニックスのルールに合わない部分(nightのgh)だけ印をつけておけば、そこに集中できます。

方法3:連想とストーリーで覚える

小学生には、単語を絵やストーリーと結びつける方が、文字を繰り返すよりずっと効きます。

  • umbrella:「アンブレラ」の「アン」ちゃんが大きな傘の下にいる
  • beautiful:きれいなものを見て「ビュー!」と声が出る
  • necessary:シャツは襟(c)が1つ、袖(s)が2つ → cが1つ、sが2つ

こじつけで構いません。子どもが自分で作った連想ほど長く残ります。「この単語、どうやって覚える?」と聞いて、子どものアイデアを使ってください。

方法4:生活の中で何度も出会う

単語帳の中にしかない単語は忘れられます。家の中で繰り返し目にする状態を作ります。

  • 冷蔵庫に fridge、窓に window、いすに chair とラベルを貼る
  • スーパーで、パッケージの英単語を読んでみる
  • 英語の絵本やアニメで今週の単語が出てきたら、止めて一度読む
  • 今週の単語10語を、目につく場所(食卓、洗面所の鏡)に貼っておく

1日に何度も「たまたま」目に入ると、覚える時間を別に取らなくても記憶が積み上がります。

方法5:忘れる直前にもう一度見る(分散学習)

一度に長く覚えるより、短く何回かに分けた方がずっと残ります。特に、忘れかけたころにもう一度見ると、記憶がいちばん強くなります。

スケジュール例(単語10語):

  • 習った日:聞いて、読んで、1回書く
  • 翌日:音だけ聞いて綴りを書く
  • 3日後:間違えた語だけ
  • 1週間後:全部をテスト形式で

忘れていてもがっかりしなくて大丈夫です。忘れてから覚え直した単語は、最初より長く残ります。

関連記事:エビングハウスの忘却曲線と分散学習 — 小学生の漢字・英単語の覚え方に活かす

方法6:文を作って、口に出す

単語を1つ覚えたら、すぐに文を1つ作ります。短くても、間違っていても構いません。

  • happy → "I am happy because it is Friday."
  • run → "I run with my dog."

子ども自身の生活に近い文ほど残ります。1日3語で文を3つ作る方が、10語を10回ずつ書き写すより効果があります。

まとめ:「何回書いたか」ではなく「何通りの方法で出会ったか」

同じ単語を、聞いて、分けて、連想して、家で見て、数日後にもう一度見て、文にして言ってみる。その単語は6通りの違う道から脳に入ったことになります。これが、単語テストの点数と、数か月後も残っている語彙力の差を生みます。

毎日保護者が単語を読み上げるのが難しければ、DictationEasyに今週の単語リストを入れておいてください。子どもがネイティブの音声を聞いて自分で書き取る練習を繰り返せ、保護者は丸つけを一緒にするだけで済みます。

関連記事:英語の書き取りが苦手な小学生へ — 語彙と発音を伸ばす方法

よくある質問

小学生は1日に英単語を何語覚えるのが適当ですか?

低学年は5語、高学年は10語前後が目安です。量より大事なのは、翌日にもう一度見ることです。1日20語を1回見るより、1日5語を4日に分けて見る方がはるかに残ります。

単語を何回も書くのは意味がないのですか?

書くこと自体が悪いわけではありませんが、音を聞かずに目で見ながら写すだけでは効果が低いです。声に出しながら書く、または音を聞いて見ずに書く形に変えると、同じ時間で残る量がまったく違います。

ローマ字読みの癖はどう直せばいいですか?

「英語は英語の読み方がある」と分けて教え、必ず音を先に聞いてから綴りを見る順番にします。フォニックスの基本(aは「ア」、eは「エ」ではなく…)を短く教えると、ローマ字との切り替えが早くなります。

英語教室の単語テストが毎週30語で多すぎます。

30語を5〜6語ずつに分けて曜日に割り振り、毎日「その日の分+前日の分」を見ます。テスト前日に全部を音だけ聞いて書いてみる。一度に30語を覚えようとすると、ほとんどはテストの翌日に消えます。

親が英語を話せなくても手伝えますか?

はい。必要なのは発音ではなく「毎日10分、隣に座ること」です。発音はアプリが代わりにできます。保護者は単語を再生し、子どもが書いたものを一緒に丸つけし、できたところをほめる。それで十分です。